斜視・弱視訓練

2018年01月19日

斜視について

斜視とは両眼の視線が一致しない場合をいいます。内斜視は目の位置が内側へずれて、より目となった状態をいいます。

原因

内斜視の原因はいろいろあり、生まれつき眼球を動かす筋肉や神経の異常があったり、遠視の場合などがあります。

種類

内斜視には、遠視のために目が内側へ寄ってくる調節性内斜視や生まれつき目が寄っている先天性内斜視などがあります。

両眼視機能

物を見るときに両眼を同時に使って、ひとつのまとまりとしてとらえる動きをいいます。(立体感など)
この両眼視機能は、生後3~4ヶ月から発達し始め、4~5歳くらいで完成するといわれていますので、早期の治療が必要となります。

治療

調節性内斜視は、遠視が原因で起こる内斜視のため、遠視のメガネをかけることが治療になります。メガネで治らない斜視は、手術が必要となります。この場合は手術して目をよい位置にすることがスタートとなるので、その後の経過観察が必要であり、また大事になります。
先天性内斜視の場合には、斜視の程度によりますが、早めの手術が必要となります。

弱視について

弱視は、何かしらの原因があって、目を正常に使っていないために視力が低下している状態ですから、正常に使わせるようにすることで視力が上がっていきます。

正常に使わせるために一番大事なことは、正しく検眼しためがねを常用させることです、弱視は片方の目だけにおきることが多いので、めがねをかけていなくても日常生活に不自由はないのですが、きちんとかけていないと視力の向上は望めません。

斜視が原因で起きた弱視の場合はプリズムの入っためがねを使うか、もしくは手術をして両方の目でものを見ることができるようにすることも必要になってきます。

弱視の治療、すなわち視力を向上させるためには、よいほうの目を隠して、弱いほうの目を積極的に使用させることが大切です。そのために、アイパッチという目に張るバンソウコウがあります。一日に何時間アイパッチをするかについては、患者さんの状態によって異なります、アイパッチで皮膚がかぶれる場合は、大きさの違うものを1回交代で使うとよいようです。
必要があれば、「字ひろい」の練習もしていただくことがあります。「字ひろい」は弱いほうの目で見える範囲で、なるべく小さい字の本を使い、一つ決めた字を赤鉛筆で丸く囲む練習です。一日20分、4ページほどが適当で、ひろう字は毎日変えて保護者の方が指示してください。

弱視の練習は、年齢が小さいほど効果があります。早期に発見して早期に治療することが大切になります。見える目を隠して見えない目で見ることはいやなことですが、家族の方の理解と協力をいただいて、励行させるようお願いいたします。